更年期障害の成り立ちを考えるとき、
原因をただ「エストロゲンの枯渇」ということだけでなく、
「脳の興奮」さらに「自律神経の一過性の過緊張」と3つに分けて考えるとよりアプローチがしやすくなります。
それはそれとして、今回はそのアプローチとして一点より三点の方が改善のための効率がよくなる意味をご説明したいと思います。
たとえば15㎏のオモリを持つことを考えてみましょう。
あなたは15㎏持てますか?女性なら相当気合を入れないと持てないですよね?
(セールのお米なら30㎏持てる方もおられるかもしれません、笑)
この15㎏例えば右手で持つとしましょう。これは大変ですよね。
一方、15㎏を5㎏に分けて3ヶ所で持ってみるといかがでしょう?
右手、左手と頭に5㎏ずつ載せて‥、これなら各所の負担が軽くなるので無理なくできるのではないでしょうか?
さて、ここでこの重りを更年期障害の改善に必要な治療の総量だと考えてみましょう。
ホットフラッシュの症状が軽く、例えば5㎏分の薬剤で治ってしまう方は、5㎏自体はそんなに重くないので、楽に治療ができてしまいます。
一方、症状がとてもひどく、15㎏分の薬剤が必要な場合でしたらどうでしょう?
1ヶ所でもつのは大変ですよね?
これはそのまま治療法の選択の話にもつながります。
例えば、症状がひどいにもかかわらず「エストロゲン補充」という1つのやり方だけに頼っていたら問題です。
使う薬量が多くなり適性度合を超えてしまうと、倦怠感、不正出血、体重増加、血栓などの副作用や、筋腫や乳がんなどのリスクだって捨てきれません。また薬剤というのは量を使えば使うほど効きにくくなる「耐性」という問題がついてきます。
このような場合、エストロゲン補充というやり方は5㎏のままにして、そのほかのやり方を5㎏ずつに分散させてはどうでしょう?
結果、治療に必要な15㎏になりますよね。
私の行っている「スリーポイント」というのはこうした考えを背景にしています。
そして、ホットフラッシュなど更年期障害を招く原因は3つと考えているので、それぞれの原因に対処していけば体に無理な負担もかけず、効率的に改善していくものなのです。