今回は子宮筋腫や子宮腺筋症の治療についてお話しさせていただきます。
これを知ればもう治療に悩まなくなりますよ。
子宮筋腫や腺筋症というのは、更年期を迎える前の40代頃に好発する子宮の病気です。
子宮の内外に筋腫ができてしまったり、子宮の筋層内に内膜が増殖を繰り返して肥大化してしまったものです。
それぞれ1週間以上だらだら続く出血や、子宮のハリ、痛み、また下腹部の膨満感を感じます。
ただ子宮はある意味お腹の中の空間に存在するので小さいうちは自覚症状として感じにくく、ある程度大きくなってから病院の検査などで判明します。
その原因は主に「女性ホルモン(エストロゲン)の過剰」といわれています。
そしてその治療は・・・
ホルモンの過剰が原因なので、エストロゲンを減らす作用のあるホルモン剤を使います。しかし、後述するようにこのやり方は本当の原因にピタッと当たっていないので、多くの方はそのうちに徐々に薬が効きにくくなる耐性が生じ、より強いものが使われていく傾向にあります。
またホルモン剤は強制的に体のホルモンバランスを崩すので、体が倦怠感やうつ、ホットフラッシュ、骨の弱化など更年期障害と同じような状態になり、また血栓などができやすくなることもあります。
そして何より、ホルモン剤が効いてそれで終わればよいのですが、大半の場合はそうはいかず、ずっと飲み続けたり、より強い作用のあるものを使うようになると副作用もより強くなるという悪循環が生まれてきます。
そしてそれがなくなると「切る」ということになります。
先ほどここで「本当の原因にピタッと当たっていない」と言いましたが、これを少し説明します。
子宮筋腫や子宮腺筋症は「女性ホルモン(エストロゲン)の過剰が原因である」といわれています。これは事実です。現に閉経してエストロゲンが激減すれば筋腫も腺筋症も多くは退縮していきます。
しかしここで問題なのはその原因に対する対処法なのです。
そこで問題です。
「エストロゲンの過剰」というのは何にとっての過剰だと思いますか?
①血液検査で出たエストロゲン量が問題、つまり体内全体量としての過剰。
②血液検査はどうであれ子宮からみた問題、つまり子宮に限局した局所的な過剰。
これを考えると一般的に行われている治療の矛盾がわかりますよ。
そこで考えると、
①と考える場合、ホルモン剤で卵胞からのエストロゲンの分泌量を減らしても、子宮内のエストロゲン量も同じように減らなければ効果がない。
②を考える場合、ホルモン剤を使わずエストロゲンが分泌されていても、子宮内のエストロゲン量を減らせれば効果がある。
ということです。
つまり、問題として大事なのは、エストロゲンの全体量ではなく、子宮内(下腹部でもいいです)のエストロゲンを減らすことなのです。
分かりやすく言えば、「子宮内で滞っているエストロゲンを流してあげればいい!」それだけです。とってもとっても簡単な話ですよね!
逆に言えば、「子宮内にエストロゲンがたまりやすいから病気になる」といえます。
これは筋腫でも腺筋症でも内膜症でも卵巣嚢腫でもみ~んな同じです。
そこでなぜエストロゲンがたまりやすいのかを考えてみましょう!
エストロゲンは血流を流れて体内の各所に運ばれます。
では「エストロゲンがたまりやすい状態」というのは「血流が悪い」ということです。
これは血管の収縮の問題だったり、血液の質の問題だったり原因はいろいろですが、結果として「血の流れが悪く、エストロゲンが子宮内にたまってしまっている」のです。
だったら流せばいいのです。でも現代医学ではこうした認識がありません。まさに「木を見て森を見ず」といったことをしているわけなんです。
こうしたことが理解できれば、筋腫でも腺筋症でも標準治療を行う前にすることがあるのが分かりますよね。
それでも普通の人より異様にエストロゲンが多い(実際はめったにいませんが・・)などといった場合は、どうしてもならホルモン剤の使用も検討してもよいかも(?)しれません。
ちなみに漢方では血液を流すことを「活血(かっけつ)」といいます。また血管内のごみや蓄積物を血流の勢いを増し除去するやり方を「駆お血」といいます。
子宮の病気と漢方の関係はとっても大事ですよ。