閉経と子宮筋腫の関係
一般的に、更年期を迎えると女性ホルモン(エストロゲン)の分泌が9割以上も減少するため、エストロゲンの影響で成長する子宮筋腫は自然に小さくなると言われています。
しかし実際には、必ずしもすべての方がそうなるわけではありません。当店に来られる患者様の中には、閉経を過ぎても筋腫が小さくならない、あるいはむしろ大きくなっている方も少なくありません。
なぜこのような違いが生じるのでしょうか?それは更年期障害への対処法や体質などによって大きく左右されるのです。
閉経が子宮筋腫に与える影響
通常のケース:筋腫が縮小する理由
閉経になると卵巣からのエストロゲン分泌が減少します。子宮筋腫はエストロゲンの影響で成長するため、ホルモンが減ることで筋腫が成長するきっかけが減り、結果として筋腫が縮小していくのが通常のプロセスです。
また、閉経後は月経出血がなくなるため、出血による貧血や痛みなどの症状も改善します。そのため、「筋腫があっても閉経になれば自然に良くなる」という考え方は、基本的には間違いではありません。
例外的なケース:筋腫が縮小しない、あるいは大きくなる理由
しかし以下のような場合、閉経を過ぎても筋腫が小さくならない、あるいは大きくなることがあります。
- 更年期障害対策として女性ホルモンを補充している:ホルモン補充療法(HRT)などで外部から女性ホルモンを摂取すると、筋腫の成長が続く可能性があります。
- 植物性エストロゲンを多く摂取している:大豆イソフラボンなどの植物性エストロゲンを含むサプリメントを摂取すると、弱いながらもエストロゲン様作用で筋腫を刺激することがあります。
- 閉経直前でも筋腫が活性化している:筋腫の成長が活発な状態が続いていると、ホルモンが減少しても筋腫が独自で成長パターンを維持することがあります。
- 赤血球増多の傾向がある:一部の筋腫では、赤血球を増やす働きが見られることがあり、これが筋腫の成長を促進することがあります。
つまり、閉経を迎えさえすれば自動的に筋腫が小さくなるわけではなく、その時の対処によって、結果が大きく異なるのです。
更年期アンチエイジングの落とし穴
更年期障害は多くの女性を悩ませる問題です。ホットフラッシュ(のぼせや発汗)、イライラ、気分の落ち込み、疲れやすさ、ドキドキ感、血圧上昇など、様々な不快な症状が現れます。
これらの症状を緩和するために、様々な対策が取られますが、子宮筋腫をお持ちの方は特に注意が必要です。
女性ホルモン補充療法のリスク
更年期障害の治療として、医療機関でホルモン補充療法(HRT)が提案されることがあります。これは外部から女性ホルモンを補充することで症状を緩和する方法です。
しかし、子宮筋腫がある方がこの治療を受けると、筋腫の成長を促進してしまう可能性が非常に高くなります。筋腫の成長が活性化すると、痛みが増したり、出血量が増えたり、筋腫が大きくなるなどの症状悪化を招くことがあります。
イソフラボンなど植物性エストロゲンの影響
更年期障害対策として、大豆イソフラボンなどの植物性エストロゲンを含むサプリメントが広く市販されています。これらは植物由来で「自然」な印象がありますが、実はエストロゲン様の作用を持ち、筋腫に影響を与える可能性があります。
特に体質によっては、こうした植物性エストロゲンでも筋腫の成長が促進されるケースがあります。「自然だから安全」というわけではなく、子宮筋腫をお持ちの方は慎重に選ぶべきでしょう。
避けるべきサプリメントの例
子宮筋腫をお持ちの方が更年期障害対策として注意すべきサプリメントには以下のようなものがあります。
- 大豆イソフラボン製剤
- プラセンタ(胎盤エキス)製品
- ザクロエキス(エストロゲン様作用あり)
- 「女性ホルモンを高める」とうたう各種サプリメント
これらの成分は更年期症状を緩和する効果がある一方で、筋腫を刺激する可能性があるため、できるだけ避けた方が無難です。特に「更年期に良い」として勧められても、筋腫との関係を考慮する必要があります。
子宮筋腫のある方の更年期の乗り越え方
子宮筋腫があっても、更年期の不快な症状を緩和し、同時に筋腫の縮小も促すような対処法はあるのでしょうか?実はあります。
漢方による安全な対処法
漢方医学では、女性ホルモンを直接補充するのではなく、体の根本的なバランスを整えることで更年期障害に対処します。これは筋腫の成長を刺激せずに症状を緩和できる大きな利点があります。
例えば、活血(かっけつ)と呼ばれる血行促進の考え方は、更年期障害の症状緩和にも効果的で、同時に筋腫の改善にも役立ちます。血流が良くなることで、ホットフラッシュや冷えの改善、精神的な不安定さの軽減など、様々な効果が期待できます。
適切な漢方治療により、更年期障害の症状を10段階で評価した場合、5〜6割程度の改善が見込めるケースが多く、筋腫への悪影響もありません。(0にならないのは更年期障害はある種の生理現象でもあるからです)
日常生活での注意点
更年期と筋腫の両方に配慮した日常生活の工夫としては、以下のようなことが挙げられます。
- 冷えを防ぎ、全身の血行を促進する(温かい飲み物、適度な運動など)
- ストレスを溜めないよう心がける(リラクゼーション、十分な睡眠)
- バランスの良い食事(ホルモンバランスに影響を与える食品に注意)
- 定期的な血液検査で状態を把握する
筋腫があることで更年期の移行がスムーズにいかないケースもありますが、適切なケアと対応で両方の問題を同時に解決することは十分に可能です。
血液検査でわかる子宮筋腫のサイン
血液検査は子宮筋腫の状態を客観的に把握する貴重な指標となります。定期的な健康診断でも確認できる項目も多いため、ぜひチェックしてみましょう。
貧血関連の数値
- ヘモグロビン・赤血球数の低下:出血による貧血のサイン
- 逆に赤血球数が増加:巨大筋腫が「造血」を促進している可能性もある
腫瘍マーカー
- CA125:婦人科系の細胞活性を示す指標で、筋腫の活動が活発だと上昇
- CA19-9:消化器系も含めた指標で、筋腫の圧迫による影響も反映
その他の重要な数値
- Dダイマー:筋腫による血管圧迫で血栓ができると上昇(脳梗塞などのリスク)
- クレアチニン:筋腫が腎臓・膀胱間の尿管を圧迫すると上昇
- LDH:細胞活性の指標で、筋腫の活動状態を示すことも
これらの数値は単なる数字ではなく、あなたの体内で起きていることを教えてくれる「メッセージ」です。数値の改善は治療効果の客観的な証拠となり、回復への自信にもつながります。
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こんな方はぜひご相談ください
- 子宮筋腫と更年期障害の両方でお悩みの方
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- 手術以外の選択肢をお探しの方
初回カウンセリングでは、直近の血液検査結果(あれば)をお持ちいただくと、より具体的なアドバイスが可能です。もちろん、検査結果がなくても、詳しくお話をお聞きした上で最適な対応をご提案いたします。

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