中庸という言葉がありますよね。
これは孔子の論語に出てくる言葉です。
「中庸」=「過不足なく偏りのない」という、思想的にも道徳的にもバランスのとれた状態がいいという意味を表します。
毎日忙しかったり、悩み事を抱えていたり、親の介護や夫婦関係など、なかなか「中庸」でいることが難しいもですよね…。
ところで、これは体にとっても同じことが言えます。
エストロゲンは体に必要でありながら、不足すれば更年期障害が出てくるし、偏って同じ個所にたまりやすくなったりして内膜や乳腺などに居続けると発症のリスクが大きくなります。
また、エストロゲンのような働きをする環境ホルモンなども現代に生活する以上、どうしてもそれなりに摂取してしまいます。
一方、更年期障害はエストロゲンの不足です。でも筋腫や内膜症、乳腺腫などのリスクはエストロゲンです。
「エストロゲンを増やすといい!」
「いや減らさないとダメ!」
もう何が何だか分からなくなってしまいますよね…。
そのようなわけで、エストロゲンにリスクがあるご病気をお持ちの方は、まず考え方を変えてみましょう。エストロゲンからちょっと目を離してみます。
それはどういうことかというと、「活血(かっけつ)」です。これは漢方の考えなのですが、血流をスムースにすることが様々な病気リスクを減らしてくれるという考えです。
誰彼問わず大事な概念ですが、特に「子宮がんや子宮筋腫のある方の更年期障害対策」の場合は必須の概念です。
まず下の図を見てみましょう!
これは、子宮内膜と血流の関係を示したものです。
もし、中を流れる血液が何かの要因でゆっくり流れるとどうでしょう?
血中を流れるエストロゲンもゆっくり流れ、組織周辺にたまりやすくなりますよね!
これは筋腫でも乳腺でもリスクそのものといってもいいでしょう。
淀んでいるとヘドロがたまって…
(続く)