先日あるお客様をお電話をいただきご相談をしていたところ、
「ホットフラッシュが頻繁に起き、1時間に10回位、1日だと100回以上(!)でて困っている」なんていう方がいらっしゃいました。
ホルモン補充療法を初めて5,6年だそうですが、「ホルモン剤の注射をすれば改善はするのですが、数週間もするとホットフラッシュがだんだん増えていき、その繰り返しでそんなに多くでるようになってしまった」ということです。症状は年々ひどくなってきたそうです。
これってどう思いますか?
言い方を換えれば、もしかしたら「ホルモン治療が悪化せているのでは?」とはいえないでしょうか?
「つらいから補充」→「楽になる」→「体内でエストロゲンがなくなる」→「つらいから補充」→「楽になる」→・・・
こんな繰り返しをするうちに薬効に体が徐々に慣れてしまい、効きにくくなる「耐性」が生じ、症状が悪化したり、薬量もどんどん増えていく・・・なんてことになっている気もするのです。
悪化→改善というリズムがうまく維持できていればいいのですが、「薬が効きにくくなった」とか、「薬量がどんどん増えてきて副作用がつらい」なんていうことになったらそれは成功とはいえないのではないでしょうか?
漢方薬を飲んで治すにも、そのようなひどいケースなら、仮にホルモン補充をピタッとやめてしまうと後でリバウンドが起きるようにホットフラッシュがでてきてしまうことが少なからずあります。こうした現象は、アトピーのステロイドや、高血圧の降圧剤と同じ論理なんですね。
そのような時は、治療薬は徐々に減らします。毎月だったのを2ヶ月に1回、3ヶ月に1回・・。本当は使用する薬剤も徐々に弱いものにしていくといいのですが、そこまで協力してくれることはなかなかありません。
先の方も、漢方薬と並行して、徐々に病院での治療を減らしていき、
それほど多かったホットフラッシュは日に数回、それも軽いものになりました。
漢方で治すにも、漢方だけでなくトータルでのバランスをみていくことも大事なんですね。