ご更年期に入ってから、ご自身の体調の異変でびっくりしたり、怖くなったり、ゆううつになったりしていませんか?
今回はそんなときに役に立つかもしれない(?)お話をさせていただきますね。
更年期障害の体調異変に代表されるのは、ホットフラッシュ(冷えのぼせ)ですよね。
その他にも、イライラ、うつ、肩こり、胃炎、胃潰瘍、逆流性食道炎、お肌の劣化、めまい、動悸、息切れ、不眠・・・・、そして長い目では骨粗鬆症も・・
沢山あってそれこそムカムカしてきそうです(笑)
でも、”これはアチコチ同時多発的に起きるから仕方がない”ということではありません。
まず、更年期に入り、”どうしてそのような症状が出てくるのか?”ということをしっかりとらえ、そしてそれにフォーカスして症状を軽減したり、防いでいくことが大切なんです。
これは巷で言うイメージで終わる話ではありませんよ・・・
さて、それらが起きる仕組みですが、私は更年期障害を3つのステップとしてとらえ、そして漢方薬を出しています。これまでの経験の経過からこの対策は正しいと思いますよ(自画自賛)
それは一つには主な原因であるエストロゲンの不足です。(①とします)
これは50才近くになるとエストロゲン(卵胞)が出尽くしてしまうので閉経が起こります。このエストロゲンは、お肌や骨の代謝に関連していて、これが少なくなると、お肌が劣化したり、骨が溶けやすくなり将来的には骨粗鬆症に向かいます。
そして次に、脳の慢性的な興奮です。(②とします)
この脳の慢性的な興奮とは、エストロゲンがなくなると脳が「足りないから出してください」と自律神経やホルモンを使って卵胞に命令をします。しかしなくなって出ないのだからどうしようもありません。だから脳はある程度命令を出し続ける、つまり興奮をしっ放しになります。
これが、脳の興奮で言えば、イライラ、うつ、不眠などメンタルの問題を起こします。当然自律神経もある程度は興奮しっぱなしになるので、血管も縮こまった状態となり高血圧、消化器の胃酸過多、食欲不振、胃炎、胃潰瘍、動悸、息切れ、肩こりなどを起こすのです。
しかしそれでもエストロゲンは出てくれませんから、最後にまるで猫ちゃんが毛を逆立てて喧嘩をする余暇のような状態になる「一過性の自律神経の過緊張」を招くのです。(③とします)
この③が直接的にはホットフラッシュ症状なんです。このホットフラッシュはこれまであまり経験したことのない特有な嫌な症状ですよね。でも脳にしてみれば、実は正直に反応しているだけなんです。
こうしてみると更年期障害とは体の中で起きるストーリーなんです。そしてそれぞれのステップで特有の症状が起きてきます。
一般的には、更年期障害は「エストロゲンが足りないから補う」という意味でしか治療は行われていません。でも、それってチョット強引な発想だと思うんですよ。この発想は①「エストロゲンの不足」に対する対応です。だから②の「脳の興奮」や③の「自律神経の一時的な過緊張」には直接的には対応していません。つまり①だけで②にも③にも対応しようとする強引なやり方なんです。実際、症状が軽い方なら治りますが、重い方はなかなか治らず苦労されていますよね。
そのような時、こうした①、②、③のストーリーで各症状を捉えられれば、玉ねぎの皮を剝ぐように一つづつ改善していくものです。(お気持ちはわかりますが「全部を一気」には難しいですよ、徐々にです。笑)
ホルモン剤やエクオールを試しているけどなかなか改善しない・・・、そんな方はこうした概念も知ってみてくださいね。
(各症状については話が膨大になってしまうので、それぞれ分けてお話しします。)