次に②血液の問題の問題です。
これは②´「質の問題」と②”「量の問題」に分けられます。
②´「質の問題」というのは、血液がコレステロールなどでドロドロ状態になったりまして流れが悪くなり血圧が上昇します。これは病院では抗血小板薬や高脂血症薬などで対応しています。漢方ではこの状態を血が乾いた状態をしめす「血燥」といい流れをスムースにする活血を行います。
また②”「量の問題」については、簡単に言えば、血管の中を流れる血液の量が多くて血圧が上がる場合と、脳が興奮状態にあり、脳が血液を要求しすぎてしまいそれに伴い心拍量もずっと上がるため血圧が上昇する場合があります。それぞれ前者なら利尿剤、後者なら抗不安剤などが相当します。一方漢方では、前者のような場合は痰湿といって体内水分が多いのでそれを出していきます。また後者は脳の疲労による脳のエネルギー不足と考え、気虚として竜骨(りゅうこつ)や牡蛎(ぼれい)を使って脳に栄養を与えていきます。
このように前回の①血管の問題と合わせると、高血圧になる仕組みが理解できますよ。
そこで本題に戻ります。
更年期の高血圧についていえば、これはエストロゲンの不足による慢性的な脳の興奮からくる自律神経の緊張ですから、①´血管の収縮が主な原因となります。ですから風邪(ふうじゃ)に対応した漢方薬を用いれば簡単に下がっていきます。
ですから、更年期における高血圧は「飲み始めたらやめられない」といわれる降圧剤を飲む前に、まずは漢方薬を使って下げることが大切なんですね。