今回は、ホットフラッシュがなかなか治らない場合、どうしてそうなっているのか?についてお話しします。
ホットフラッシュは更年期障害の典型的な症状で、卵巣からの女性ホルモンの減少により起こるものです。
だからその治療には、「女性ホルモンを補充することが唯一の解決策」です・・。
ここまでは皆さんご存知の話ですよね?
しかし、いくらホルモンを補充しても、改善→悪化→改善→悪化・・・を繰り返す方がおられます。こういった場合は、「女性ホルモンを補充することが唯一の解決策」であるということに疑念がわきませんか?
ホットフラッシュの成り立ちは、
①女性ホルモン/エストロゲンの不足
②脳がその情報をキャッチして卵巣に働きかけるべく興奮
③それでも改善しないので、一時的に自律神経を過緊張させる→これがホットフラッシュです。
ホットフラッシュは、①(エストロゲン不足)をきっかけとして、この3つの流れを経て起きるわけです。
そこで考えてみると・・・
もし症状が軽い場合、主要因である①を改善すれば②(脳の興奮)も③(自律神経の一時的な過緊張)もよくなる・・、つまりホットフラッシュは改善します。
でも脳は、女性ホルモンの情報をキャッチするだけではなく、生命の司令塔として精神活動、肉体活動、加齢現象などから様々なストレスを受けています。
実際、50歳って、人生でいろいろな意味で大変な時期ですよね(私もビンゴです、笑)
そこで脳の感受性が敏感かったり、ストレスが大きかったりなど、様々な要因で
①(女性ホルモンの不足)を契機とした流れ以外にも、②(脳の興奮)が大きく、しかも持続的になってしまう場合があります。そうなれば③(自律神経の一時的な過緊張)、つまりホットフラッシュだってひどくなってしまいますよね。
その場合、①への対策(ホルモン補充)をいくら一生懸命やっても間に合いません。
わかりやすく言えば、こうしたことが「ひどいホットフラッシュがなかなか治らない原因」ではないでしょうか?
そうなれば、①に対するホルモンの補充以外にも、②に対する安定剤や入眠剤の乱用にもつながり・・・、もうグチャグチャにたってきます。
また、それをわかっていても、治療としては「ホルモン補充が唯一の解決策」と思ってしまえば、より多く、そしてより強く治療していくことになり、副作用などの弊害もでてきます。
到底これは効率的ではありませんよね。
では、どうしたらよいか、次回ご紹介します。