漢方薬の効き方について
皆様がご存知の「漢方薬」といえば、一般的にはエキス剤が多いですよね。
お医者さんなどで他のお薬と合わせてもらったり、近くの薬局やドラッグストアでお求めになられたご経験もおありかもしれません。
こうしてみれば「漢方薬はお薬なんだから他のお薬のように効くのだろう」とお考えになるのは自然なことです。
ただ漢方薬がお体に効くといっても、実はその仕組みに相違があります。
まず2段階に分けてお話しさせていただきます。
漢方薬が普通のお薬と同じように効く
これは、急性的または軽いご症状の時に効く場合です。
例えば、風邪をひいたときなど普通のお薬ならカロナールがお医者さんではよく出されます。
成分であるアセトアミノフェンという物質が血管を広げて解熱や鎮痛をさせます。
同様に葛根湯もよく出されます。これは葛根湯に入っている生薬の成分が、
上半身の血管を広げて解熱や鎮痛をさせます。
どちらも同じような効き方で、同じような治り方をしますが、これは「漢方薬の成分が直接作用を示して治す」例です。
漢方薬特有の効き方でに効く
これは、わかりやすく言えば
「漢方薬が直接病気を治す」のではなくて、
「漢方薬を一定期間飲み続けることで異常細胞が正常化し、それによって病気が治る」という効き方です。
これは、成分が直接効いて病気を治すわけではないので、現代医薬にはない発想です。
(多くの方がこの部分を知りません)
だから、「最初は効かなくても1,2ヶ月くらい飲んでいたら徐々に効いてきた」なんていうのは
こちらの効き方です。
漢方薬の良い特徴が出せるのはこちらです。なぜなら、現代医薬にはない効き方の特徴を持っているからです。
高血圧や様々な慢性症状、慢性病、また体質の改善など漢方薬の出番となりやすい多くのケースでは
こうした考え方で治していきます。
漢方薬が効かないことってあるの?
もちろんあります。
考えられるのは、
・間違った漢方薬を飲んでいる
・漢方薬という手段でも細胞が反応しにくい状況になっている
ということです。
「間違った漢方薬を飲んでいる」
これは「的確な診断や見通しが得られていなかった」、「ご自身の体質に変化があってその漢方薬が合わなくなった」などの理由が考えられます。
「漢方薬という手段でも細胞が反応しにくい状況になっている」
これは、「末期的なご病気の場合」、「お薬に体が慣れてしまい効きにくくなるという『耐性』がついてしまった」などの理由が考えられます。
これらに対しても当薬局では、一般的な綿密な漢方相談のほか、訊診(じんしん)という技術を使って漢方薬のお客様への適性を可否を逐一判断しております。