わかればカンタン 子宮内膜症・腺筋症
子宮内膜症は、子宮内にあるべき内膜がそれ以外の部位にできてしまう病気です。
また腺筋症というのは筋腫が子宮の筋層にできてしまうものです。
内膜は、生理リズムにあわせて増殖・剥離(はくり)・出血を繰り返すので、発生する部位により、激しい生理痛、不正出血、組織の癒着などがみられるようになります。
内膜症でも腺筋症でも原因は「エストロゲンの過剰」と現代医学では言われています。→そう言ってしまうと問題が多いのです。その理由は後述します。
子宮内膜症や腺筋症になると、罹患部位により、「生理に伴う激しい痛み」、「排便痛」、「性交痛」、「排卵痛」などがみられます。また内膜症では異常増殖した内膜が剥離し出血し、腺筋症では筋腫のように出血があるので、血の排出経路があるときは月経過多や不正出血になります。
ちなみに腺筋症は内膜の異常増殖が上皮でなく粘膜下層(膜の中身)でおきている筋腫のようなものですが、このとき、異常細胞に核があれば子宮筋腫、なければ腺筋症と分類します。でも実際には厳密な区別がつきにくく、併発しているケースが多くなります。
漢方ではどうするの?
漢方では、内膜症は月経過多の症状から、持続的に血がタラタラと漏れるような場合を『経漏』とか『漏下』といい、多めの血液が流れ出すようにどっと出るようなものを『血崩』、『崩中』、『経崩』などといいます。
内膜症や腺筋症に対する漢方の治療は、「活血」と「駆お血」が基本です。
わかりやすく言えば、これらは子宮内の淀んだ血液の流れを一掃し、キレイにしていくものです。
内膜症については「原因にはいろいろな説があるものの、エストロゲンの多さが大いに関係している」ということでした。
そこで漢方薬でこれを簡単に治すやり方をご紹介します。それは・・
「子宮内の淀んだ血液の流れを改善すれば、エストロゲン停滞によるリスクをすぐになくすことができる」ということです。
これは子宮近辺の血液循環を川の流れに例えてみると、「上流なら流れが速いので浮遊物がヘリにたまりにくい」、
一方「下流なら流れが遅いので浮遊物がヘリにたまりやすい」、ということです。
この場合、ヘリは「血管が接する子宮の組織」、浮遊物は「エストロゲン」と考えてみると、
「血流がサラサラならエストロゲンが組織に停滞しにくい」、
一方「ドロドロならエストロゲンが組織に停滞しやすい」、ということです。
つまり、「良好な血液循環を確保できればリスクは簡単に減らせる」ということなのです。
現代医学では問題は「エストロゲンの過剰」なので、エストロゲンの全体量を減らすべくホルモン剤を使います。
一方この考えなら全体量の問題より先に良好な血液循環を確保すればいいだけです。漢方では簡単な話です。
ちなみに子宮だけでなく、同じしくみと考えられている「乳腺がん」に対しても同様に発生リスクの低下が見込めます。
ここで「漢方による子宮内膜症治療」の結論です!
結局、子宮内膜症や腺筋症においてまずやるべきことは、最初から「ホルモン剤でエストロゲンを減少させる」ことではなく、まず「活血」なのです。
ほかに何かの病気などがない限り、内膜症や軽い腺筋症ならほとんどの場合これだけで十分です。
さらに活血をすれば全身の血液循環がよくなるため、「元気になる」、「冷えている人はポカポカになる」、「傷の治りが早くなる」、「顔色やお肌の調子が良くなる」などといったオマケ付きです。プレゼントといってもいいかもしれませんね。