今回はこういうテーマでお話しします。
「信なくして快癒なし」
なんか古めかしい言い方で、科学者は眉をひそめそうな内容ですよね(笑)
でもそれは当然のお話なんです。
つまり「信じなければ心地よいとまで思えるような治癒は味わえない」とか、
「信頼性が欠如しているとその効果も低くなる」という意味です。
決してプラシーボ効果(※)のことではありません。
(※プラシーボ効果:偽薬を本物と信じさせて飲ませると改善してしまうこと)
ところで、「漢方薬は病気を治す薬である」というのは、
実は「マ~ボ~ロ~シ~!!」(IKKOさん風で!笑)なんです。
厳密に言えば、漢方薬は、「その人の体質を是正して、病気を追い出す体をつくる」と言った方がいいのです。
そこに必要なのは、飲む量と期間です。なぜなら体質の是正、つまり「それぞれを構成している細胞の機能異常を是正していく」なんていうのは、すぐにできるものではなく、時間のかかることだからです。
細胞のサイクルとして
・髪や皮膚が1ヶ月
・筋肉や肝臓が2ヶ月
・骨は数ヶ月~数年
といわれています。
ですので、「それらの異常を是正する」なんていうのは最低数ヶ月はかかるのが当たり前なんですね。
さらに、漢方では体質を見るうえで、
・季節変動
・病態の軽減変化
・部位の変化
など様々な要素が時間とともに変化するので、
使う薬の分量や種類が変えていくのが普通です。
これらのことを背景にして・・
もし漢方薬を飲む場合、その処方ややり方に対して信用がなければどうでしょう?
また、症状の改善に時間がかかるものほど治療経過はゆっくりだし、漢方薬の微妙な調整が必要になります。
それを知らずにちょっと飲んでみて変化がないから「や~めた!」なんていう話ならもったいなですよね。
(もちろん本当に効かないケースもありますので、その見極めも重要です。でもプロならある程度経過をみれば大体わかるものです。)
「信なければ快癒なし」とは、そういうことなんです。
現代医学の常識で病気治療に対する考え方を根底にお持ちの場合、まず常識を外していただかないと理解しにくいかもしれませんね(笑)