更年期障害の代表的な症状はのぼせ(ホットフラッシュ)ですよね。
上半身が急に熱くなり、汗がでたりして鬱陶(うっとう)しいものです。
この「のぼせ」(「ホットフラッシュ」ともいいます)
皆さんは、「女性ホルモン(エストロゲン)がなくなってしまうから…」という認識はあるかと思いますが、もう一歩踏み込んで考えてみるといいと思います。
①エストロゲンの不足
②不足の情報を脳がキャッチして卵巣を刺激するホルモン(FSH)や自律神経(※)を使って卵巣を興奮させる(持続的な状態)。 ※自律神経(じりつしんけい):内臓機能を調節する神経のことで交換神経と副交感神経があります。
しかし、原因が枯渇なのでそれでも興奮しません。すると「エイヤ~ッ」とばかりに
③自律神経の瞬間的な超興奮を起こす
この③の自律神経の瞬間的な超興奮が「のぼせ(ホットフラッシュ)」現象です。
でもこれは②と違い持続的にはできません。数十秒から数分で熱は引いてしまいます。
もっとも、風邪をひいたり体内に炎症があって発熱するわけではないのでいわるゆ「全身性の熱」とはなりません。熱が上に上がるとその分足先に冷えを感じやすくなったりします。だから「冷えのぼせ」等といわれるのです。
更年期障害にはいろいろな症状があり、人によっても違うので
不定愁訴とか、自律神経症状などとも言われたりしますよね?
でも、上記のように原因とか課程に分けて考えていくと、その区別がつきやすくなりますよ。
①エストロゲン不足→エストロゲンはお肌の調子や骨の代謝に関連します。この状態が何年も続くとお肌の劣化や骨の生成不足(骨粗しょう症)などを招きます。
②脳が不足状態をキャッチして自律神経が興奮→自律神経とは内臓機能を調節する神経です。脳が興奮状態にあると自律神経も興奮した状態になり、血管が縮こまり(高血圧)、心拍上昇(動悸)、胃腸の機能低下(胃炎、膨満感)等を招きます。また脳の持続的な興奮は、イライラやうつ、不眠、疲労感などを招きます。
③瞬間的な超興奮(自律神経の一過的な過緊張)→上半身に熱が上がり、汗腺がひろがり汗をかきやすくなり、のぼせ(ホットフラッシュ)が起こります。
このように見ていくと、更年期障害の「のぼせ(ホットフラッシュ)」に至るまで3つの段階があることがわかりますよね。
こう考えれば、「私は更年期でも『のぼせ』はでない…」とか、「いや散々悩まされている…」など人によって症状のでかたが違うことを理解しやすいとか思います。
それでもエストロゲンの不足がダイレクトにでるお肌や骨の密度の衰えは共通です。これは誰彼問わず、更年期を迎えたなら皆さんがしっかりケアしていく必要があると思いますよ。
また、一般的な治療でも更年期障害をただ「エストロゲンの不足」とだけとらえていては、①に関してはいいけれども、②とか③に関しては「ホンマに届くんかいっ?」といったツッコミがあってもおかしくないと思います(笑)
実際、ホルモン補充やエクオールで届いてない人が治らずに苦しんでいたりするわけです。
現代医学とて難しい顔をしておりますが、意外とこうした足元が見えていないことがよくあるものです。